漆について
八重山の木を使って木地作り
ご縁あって、街の木工工房を使わせてもらえることになりました。
私は漆の塗師なので、基本的に、木地は、自分でデザインしたものを
木工職人さんに作ってもらい、その木地に塗るのが仕事でした。
形作りにはずっと憧れがあったのですが、仕事内容が全然違う上に、
木地作りは、漆が嫌うホコリ(木くず)が立つので、諦めていたのですが、
なんと自分でやれることになりました。
もちろんまだ、素人ですが、極めようと思ったら、
あっという間に年をとってしまうので、
稚拙ながら少しずつ、商品化しようと思っています。
あこがれの八重山の木をつかっての形作り。
私は木の皮や、自然にできた穴などが美しいと思うので、
そういうものを活かして制作してゆくつもりです。
お正月と漆
年末や年越しで、漆器を使う機会が増えると思います。
「漆器はもったいなくて、お正月しか使わないの」という言葉、
何度も聞いたことがありますが、漆側の人間としては、
日常に使っていただく方がずっとお勧めです。
使うことで、適度に漆器に水分や油分が入り、長持ちするのです。
漆器は乾燥が苦手なので、ずっと放っておいてしまうと、
急に割れてしまうこともあるのです。
お家の漆器、もったいなのならば、お正月だけでなく、
是非、日常で、お使いくださいますと幸いです。
漆の乾き方
漆が乾く時に必要なのは、乾燥ではなく、湿度。不思議な液体です。
酵素が働いているようです。
暖かさも必要で、温度は28度、湿度は70%くらいが最適でしょうか。
石垣島は絶好の漆制作場所なのです。
半面、作業中に乾きすぎてひどい目(予想に反して乾きすぎ、全部やり直し)にあったこともあります。
内地ですと、冬には乾かす場所にひよこ電球をいれたり、
霧吹きを使ったりと、なかなか大変ですが、乾きすぎても大変なので、
どこが漆の作業場所が良いかは、人それぞれなのかもしれませんね。
酵素が働いていて、お世話も必要。漆は、生きているのだな~と思います。
漆が学べるところ
よくお客様に「どこで漆を学ばれたの?」と聞かれます。
私は、香川県の漆の学校で学びました。
3年間、普通の学生のように、月から金まで、朝から夕方までびっしりでした。
私の知識では、漆だけの専門学校のようなところは、
香川県と、石川県だけのはずです。
他に伝統工芸学部、漆学科みたいなところは
日本全国ちょこちょこあります。(陶芸科とか、織物科なども併設)
沖縄にもあり、お邪魔したこともあります。
県によって、技法が様々ありますが、
香川県は彫ることと、色漆を使うことを得意としていました。
なので、うちのギャラリーには緑色とか、黄色、青色の漆の品が置いてあります。
「漆って黒と赤だけかと思った」とよく言われるのですが、
漆の樹液(茶色)に、顔料や染料を入れるので、色々な色が出来ます。
しかし、ベースが茶色なので、すこし濁るというか、落ち着きが出ます。
特に白色はベージュな感じの色に基本なります。
上品で、柔らかな印象な漆の色々です。
日本(本州)の漆と石垣島の漆。
私の知ってる限りでは、樹液として利用されている漆の木は、世界で2種類のようです。
日本、いわゆる内地で採れる漆(中国産や韓国産?)も同じのはず。
寒さが厳しくても育つ漆です。
もう一つは、東南アジアで採れる漆です。
ベトナムや、ミャンマーに行かれた方はご存じと思いますが、
よくお土産物屋さんで漆の製品を見ます。
この漆はゴムのような感じが強く、日本や中国の漆と感触がかなり違うようです。
昔、石垣島にあったであろう漆の木、気候的に、こちらの東南アジア漆ではないかと
推測しますが、もしかして、独自の生態を持つ、石垣漆の可能性も捨てきれません。